南砺市

年度 令和6年度
事業名 クリエイティブ南砺 ~地域と世界をつなぐ文化芸術創造のまち~
事業規模 採択額 5百万円(総事業費 1千万円)
事業のポイント 文化芸術を通じたコミュニティの形成

主な事業内容

主な事業内容

事業の概要

南砺市の持つ多様な伝統文化と、ワールドミュージックを通じた異文化交流を基盤に、広く市民に向けたアウトリーチやワークショップを展開する。
文化芸術団体向けのシンポジウム、市民芸術団体を育成するワークショップにより、文化芸術活動を行う意欲向上、担い手確保につなげる。

事業の実施体制

事業の実施体制

関係者インタビュー

<お話をお伺いした方>

<南砺市>
ブランド戦略部文化・世界遺産課:南田 哲幸氏
<一般社団法人スキヤキ・オフィス>
リバレ・ニコラ氏、野村 斗萌氏
(インタビュー実施:R7.11)

リバレ・ニコラ氏

リバレ・ニコラ氏

事業のポイント

Q
令和6年度事業の概要についてご紹介いただきたい。
A
南砺市は世界遺産を有し、長い歴史をもつ郷土芸能も多く豊かな文化資源と発信力を持つが、日常的に文化芸術活動を行う市民はまだまだ少ない。また、20年前の町村の合併から、集落のくくりに囚われず相互に協力連携して文化芸術活動の幅を広げられる環境づくりが必要と考えている。30年以上続くワールドミュージックフェスティバル「スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド」を軸として新しい文化芸術ネットワークの構築を目指すため、アウトリーチやワークショップの実施、文化芸術団体向けシンポジウムの開催など地域団体や次世代の育成に取り組む事業を展開している。
5年の実施計画を立てているが、今のところ非常に地域の反応が良く、我々が想像していたよりハイスピードで進んでいる。ボランティアの数も想定以上に増えており、しかも若年層が多いことから、新しい可能性が見えて大変ありがたい状況にある。
Q
どのような専門人材を起用されているか。また、その活用と育成についてお教えいただきたい。
A
「スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド」総合プロデューサー、一般社団法人スキヤキ・オフィスのリバレ・ニコラ氏をお迎えしている。ワールドミュージックフェスティバルとして歴史が長く、基本的に市民ボランティアで企画・運営されているのが特徴。
市民ボランティアは南砺市在住を中心に、全国各地から各世代の方々が参加しており、そのほかインターン生や県外の学生も存在する。フェスには全国・海外レベルのプロもお呼びするので、これを機会にプロがボランティアスタッフを指導するプログラムも織り込んでいる。

ポイント①:アウトリーチ・ワークショップによる影響の広がり

Q
アウトリーチやワークショップについて、令和6年度に開催数や参加者数が大きく増加した要因は。
A
2010 年にスキヤキ・キャラバンという事業を行って各地区を回った。それで初めて活動を知って、面白い・行ってみたいという声や、新しいスタッフが増えるなど大きな反響があり、またそういう事業をしたいという思いがあった。予算とスタッフの数の制限はあるものの、各地区で参加できるように各学校を回るのと、ワークショップも新しい団体の誕生を目指さないと同じ団体・メンバーばかりになってしまうため、幅広くしたいという思いから実施回数の増加に踏み切った。
いろんな年齢層の方に楽しんでいただけるよう計画を組んでおり、保育園や学校を対象としたアウトリーチではこれまでやっていなかった中学校や高校(※小学校では長年実施)にもお声かけしている。また、ワークショップに興味があるスタッフや市民の方に直接声を掛け、その交友から参加に繋がることもある。

ポイント②:ボランティアスタッフの自主性の醸成

Q
ボランティアスタッフのサポートにあたり気を付けていることは。
A
やりたいことはボランテイアスタッフや市民の団体が中心になって決めて、それをスキヤキ・オフィスがサポートする仕組みでやっている。例えば呼びたい団体やアーティストは基本的にボランティアスタッフのリクエストで選んでおり、ボランティアスタッフ向けの講座についても要望が上がる。
また、チームが固定化し、新しい人が入りづらい状況にならないように常に新しいスタッフを入れて、次の世代に十分知識が蓄えられてきたらこれまでリーダー格として従事していた方々には交代してもらい、若い世代が重要な役割を担えるように気を付けている。これは、ボランティアの方々もそういう意識をもって取り組んでくれている。フェスを通じて異文化と交流するのは重要だが、同時に世代も経歴も様々な仲間と一緒にフェスをやるのが楽しいという思いから参加してくれているので、こちらもオープンな体制でいなければならないと感じている。

ポイント③:多様なコミュニティネットワークの構築と連携

Q
南砺市としても様々な文化芸術団体と触れ合う機会となっていると思うが、それを参考に南砺市が取組んでいるものはあるか。
A
スキヤキ・オフィスとの取組として、当事業では文化芸術団体向けのシンポジウムを実施。それぞれ伝統芸能や現代音楽、獅子舞など幅広いジャンルの文化芸術団体を招いて各団体の現状や課題、それに対する取組などを共有しながらトークセッションを行った。シンポジウムで相互理解を深めた結果、ほかの団体の練習に関わったり運営への相談にのったりしたという事例や、活動への意欲に繋がった事例も伺っている。
また、事業外ではあるが、南砺市は各集落ごとに獅子舞があるものの、担い手不足で継承が難しくなっていることから獅子舞団体のネットワークを構築する試みを行っている。悩み事や自分たちの地区での取組を共有する場を設けたり、ワークショップや共演会を開催し、スキヤキ・オフィスの取組を参考にワークショップのブラッシュアップやシンポジウムを行っている。
令和6年度事業は1億円以上の経済効果があるという評価をいただいており、今年度以降も経済効果にも繋がるようなかたちを取っていきたいと考えている。市内でフェスと近い時期に開催されるSCOTサマー・シーズン(※南砺市利賀村の利賀芸術公園で毎年夏に開催している演劇祭)や棟方まつりとも連携し、双方の来場者の増加も目指していきたい。

※文化庁が団体にインタビューした内容をもとに再構成しています
※事業内容、体制等はインタビュー当時の情報です